2021.09.15 | 火災保険
火災保険は台風被害も補償してくれる?補償範囲から保険金の請求手順まで徹底解説!

今回の記事では、火災保険の台風被害に関する内容について紹介していきます。火災保険は火事などで建物や家財が破損した時、かかった費用を補償してくれる便利な保険。そんな火災保険の補償範囲は意外と広く、詳細まで知っている人はあまりいません。
実は、台風被害についても火災保険の補償対象になっています。このように火災保険の補償範囲を正しく知らないと、補償されるような損害でも見逃してしまうかもしれません。そこで、本記事では火災保険の台風に関する補償範囲や保険金の請求手順を解説します。
せっかく火災保険に加入しているのであれば、しっかり保険金を受け取りたいもの。保険金の請求手順を知っているといざというときも安心です。ぜひ、参考にしてください。
Contents
火災保険は台風被害も補償対象になる
まずは、火災保険の補償対象について紹介していきます。先ほども軽く触れましたが、火災保険は火災だけではない幅広い補償範囲が設定されています。なので、ここでしっかりと火災保険の補償については詳しく知っておきましょう。
火災保険について詳しくなると保険の内容を確認し直したくなること間違いなしです。では、火災保険の適用内容について詳しく見ていきましょう。
台風被害による火災保険の適用内容
火災保険は、基本的に自然災害で被害を受けた場合に適用される保険です。そのため、台風被害を受けた時でも補償を受けることができます。
台風は大きな被害をもたらすため、被害額も少なくありません。ですが、火災保険に入っているとその心配も少しは軽減されるでしょう。それでは、火災保険の補償対象となる災害と被害例を表にまとめているので、確認してみてください。
災害 | 被害例 |
火災 | ・火災により住居が全焼した |
風災(台風を含む) | ・台風で屋根が飛ばされた ・屋根の瓦や外壁材が強風で飛ばされる ・強風でベランダが破損した ・強風で飛ばされた木材が家に直撃し、破損した |
雪災、ひょう | ・台風による大雨で雨漏りが発生した ・建物が浸水し、外壁が腐食した ・大雨により、雨どいが破損した |
落雷 | ・雷により、火災が発生した |
破裂、爆発 | ・どこからか漏れ出したガスに引火し、家屋で爆発が起きた |
騒擾・集団行為等にともなう暴力行為 | ・労働争議に関わる暴力行為によって家を壊された |
盗難 | ・泥棒に窓ガラスを壊され、家に侵入された ・泥棒が家に侵入し、現金を盗まれた |
火災保険の補償内容
火災保険の補償内容は建物と家財に分かれています。補償内容については、契約時に「建物のみ」「家財のみ」もしくはその両方を選択することができます。建物と家財の片方のみ選択して契約すると、もう片方に損害が出た時に補償されません。なので、自分の家の現状に合わせて補償内容を選択しましょう。
また、火災保険の補償内容について知らなかった場合は保険内容の見直しも考えるといいかもしれません。補償内容の建物と家財は、以下のようなものに分けられるので確認してみてください。
補償内容 | 具体例 |
建物 | 建物本体、門、塀や車庫などの動かない設備 |
家財 | 家具、家電、衣類 |
台風被害による火災保険の補償範囲を実例で紹介!
日本は台風が多く、台風により自分の家が被害を受けることは想定の範囲内と言えるでしょう。台風は普段ではありえない暴風と強い雨のため、家屋が破損する可能性は高いです。
それでは、どんな被害があれば火災保険の補償が受けられるのでしょうか。ここでは、台風の被害でよく見られる内容を例にして紹介しますので確認してみてください。自動車が台風の被害を受けた時など火災保険が利用できない場合もありますので、注意が必要です。火災保険の適用範囲外で、台風の被害を受けそうであれば、火災保険以外の保険に加入することも考えてみてください。
台風による被害例は以下の表の通りです。
台風による被害例 | 火災保険の保証に関わる保険の範囲 |
台風による暴風で壁が剥がれ落ちた | 火災保険の適用内容で風災に該当する |
台風による大雨で雨漏りが発生した | 火災保険の適用内容で水災に該当する |
台風による雨と風で土砂崩れが発生し、自分の家が巻き込まれた | 損害の状態や程度によって、火災保険の適用内容で水災に該当する可能性がある |
台風による大雨で街中が水没しし、車も水で浸かってしまい、動かなくなった | 台風による車の水没は火災保険の対象外 自動車保険の対象になる可能性がある |
台風被害による火災保険の適用条件
ここからは、台風被害による火災保険の適用条件について紹介していきます。台風被害により被害を受けた時、火災保険が適用できるかどうかにはいくつかの条件を満たす必要があります。
適用条件を満たしていない場合、火災保険の保険金が受け取ることができません。なので、ここでしっかりと火災保険の適用条件を押さえておきましょう。
台風被害による火災保険の適用条件1:経年劣化でなく自然災害
火災保険の適用条件の1つ目は、経年劣化ではなく自然災害であること。火災保険は経年劣化でなく、自然災害で損害を受けた場合でないと請求できません。
つまり、台風により被害を受けていれば請求できるということ。しかし、経年劣化と台風による被害の見分けがつかない場合、経年劣化だと認定され、保険金が支給されない場合もあります。なので、損害の原因をしっかりと見極めて請求するようにしましょう。
台風被害による火災保険の適用条件2:申請期間は3年以内
火災保険の適用条件の2つ目は、申請期間は3年以内ということ。火災保険の請求期限は、保険法第95条で時効が3年と定められています。
そのため、火災保険を申請できる期間はほとんどが3年以内となっています。申請期間が過ぎてしまうと台風による被害の補償がされることはありません。なので、忘れないように早く申請することを心がけてください。
台風被害による火災保険の適用条件3:損害額が20万円以上
火災保険の適用条件の3つ目は、損害額が20万円以上であること。火災保険の請求は、損害額が20万円以上の場合に請求できます。損害額が20万円と言われるとハードルが高いと思った方もいるかもしれません。
ですが、台風被害の多くは建物の高いところに損害があり、仮設足場を立てたり工事設備を準備したりする費用を加えると20万円を超えるケースがほとんどです。損害額が20万円を超えることがあれば、忘れずに請求するようにしましょう。
罹災証明書って?台風被害による火災保険の請求で必要になる請求書
ここからは、台風被害による火災保険の請求に必要な請求書について紹介していきます。火災保険の請求には必要書類が多く、困惑してしまう人もいるのではないでしょうか。
火災保険の書類は1枚1枚が重要で漏れのないようにしなければなりません。必要な書類については以下の表にまとめましたので、不備なく揃えるようにしましょう。
書類名 | 書類内容 |
保険金請求書、事故内容報告書、損害明細書 | 全て保険会社から送られてくる書類です。 保険金請求書は、保険金申請のための情報を記載する書類。 事故内容報告書は、事故の概略を説明する書類。 損害明細書は、建物や家財についての損害を記入する書類です。 |
修理見積書 | 修理業者に用意してもらう書類。 修理代や修理内容の詳細が記載されている書類です。 |
罹災証明書 | 管轄の消防署で発行してもらう書類。 罹災した事実証明をする役割のある書類です。 |
写真 | 自分で用意する書類です。 |
損害があった部分を撮影し、写真または画像データで提出します。 |
台風で屋根が破損する被害に遭った!火災保険を請求して屋根修理するまでの流れ
ここからは、火災保険の請求手順を紹介していきます。今回は、台風被害に遭って屋根が破損した例を挙げて紹介していきます。台風は突然発生してすぐに被害をもたらすため、被害にあう心の準備がしにくいもの。
いざ被害にあった時に火災保険の請求手順がわからないと混乱してしまうかもしれません。スムーズに対応できるように、ここでしっかりと把握しておきましょう。それでは、それぞれ順を追って紹介しておきます。
台風被害による火災保険の請求手順その1:修理業者に依頼
火災保険の請求をする前に、修理業者に依頼する必要があります。その理由は、損害の額がわからないと申請することができないから。まずは、優良な屋根業者に依頼することから始めましょう。相見積もりをし、複数の業者を比較検討することが大切です。
台風被害による火災保険の請求手順その2:修理業者による現地調査・見積り書の作成
修理業者に依頼すると、次に修理業者が実際に台風で被害を受けた屋根を調査してくれます。見積もり書を作成してくれるので、その書類を基に保険会社に提出する書類を準備しましょう。見積もり書は失くしてしまわないように気をつけてください。
台風被害による火災保険の請求手順その3:保険会社に連絡・必要書類の送付
修理業者の見積もり書がとれれば、いよいよ保険会社に連絡します。保険会社が書類を送付してくれますので、必要書類を揃え、保険会社に返送。保険会社によって微妙に提出する書類が違うことが考えられますので、必要書類をしっかりと確認するようにしてください。
台風被害による火災保険の請求手順その4:保険会社による現地調査
申請書類の提出が完了すると、保険会社による現地調査があります。保険会社が依頼した損害保険登録鑑定人が屋根の被害状況を確認。郵送された書類をもとに、家の損壊箇所を調べていきます。
台風被害による火災保険の請求手順その5:審査・入金
保険会社による現地調査が終わると、調査員が報告書をまとめ保険会社に提出します。この報告書や書類から保険会社による審査が開始。保険の適用範囲と判断されると、保険金の算定が行われた後に指定した口座に入金されます。
台風被害による火災保険の請求手順その6:工事の着工
保険金の入金があることを確認したら、いよいよ屋根の修理です。依頼した修理業者に連絡をとり、工事の着工に入ってもらいましょう。工事の依頼については、必ず保険会社からの入金を確認した後に行うようにしてください。入金を確認する前に業者と契約してしまうと、後々業者トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
台風被害による火災保険の補償に関するQ&A
最後に、台風被害に関する火災保険の補償についてよくある質問に答えていきます。火災保険について疑問がある方は、ここからの内容をしっかり確認しておきましょう。いざ台風で被害に遭った時に役に立つかもしれないので、ぜひ参考にしてください。
Q1:台風被害に遭った場合、火災保険の見舞金っていくらもらえるの?
A:保険金の10パーセントから30パーセント程度の金額がもらえます。
台風被害に遭った時、保険会社から臨時費用補償特約、いわゆる見舞金がもらえる場合があります。見舞金を受け取るには、火災保険に加入し「費用保険金特約」をつけないといけません。見舞金は、先立って修理に必要なお金の足しにすることができます。
例えば、台風の影響でエアコンが故障して5万円の修理費がかかった場合、30パーセントで計算すると、見舞金として1万5千円が支払われます。保険会社や加入条件によって金額は変わりますので、自分が加入している火災保険の内容を確認しておきましょう。
Q2:台風被害で車に傷がついた場合、車の修理は火災保険が補償してくれる?
A:車は家財に含まれないため、火災保険は適用されません。
自動車は火災保険の適用範囲でいう家財に含まれません。台風が原因で車に傷がついても、火災保険を請求することができないことを覚えておいてください。
そのような場合は、任意の自動車保険で車両保険をつけていると補償される場合があります。なので、まずは自動車保険の保険会社に問い合わせてみてください。
Q3:賃貸のマンション・アパートで台風被害に遭った場合も火災保険は補償してくれる?
A:家財に被害が出た場合、補償される可能性があります。
賃貸で台風被害に遭った時に、建物に被害が出ても借主には修理する義務はありません。しかし、窓ガラスが割れて部屋の中の家具が壊れることもありえます。
そういった場合には、家財の被害額次第では保険金が支払われます。ですが、火災保険を適用させるためには20万円を超える損害額でないといけません。20万円以下の場合は補償されませんので注意しましょう。
台風被害にを遭った場合の火災保険の正しい使い方を理解しておこう
いかがでしたでしょうか。台風は1年に何回もやってきますので、被害が出る可能性も高いです。いざ台風被害に遭った時のためにも、火災保険の請求方法を押さえておきましょう。
火災保険は請求することを忘れがちになってしまいます。なので、被害があればすぐに請求するということを忘れないことが大事なことです。