2021.09.14 | 火災保険
火災保険の保険金は課税対象になる?火災保険の税金に関する知識やQ&Aを紹介!

今回の記事では、火災保険の税金に関する内容について紹介していきます。保険金を得れば損害箇所に対して修理ができますが、保険金が課税対象になるのか疑問を抱く方もいるかもしれません。
火災保険の仕組みは特に複雑なので、火災保険に関する正しい知識を持っている方は少ないはず。そこで、本記事では火災保険の課税対象についてや税金が控除される条件について紹介していきます。
他にも、火災保険の税金に関するQ&Aも紹介。この記事を読めば、自分が貰った保険金が課税対象になるのかどうか判断ができ、保険金の使い方も把握できるようになります。ぜひ、最後まで見ていきましょう。
Contents
火災保険で受け取る保険金や見舞金は税金がかからない
結論から言うと、火災保険で受け取る保険金に税金はかかりません。基本的に火災保険で受け取った保険金は火災や災害で受けた損害を修理するためのものなので、非課税となります。
また、500万円を保険金で受け取って損害箇所に対して250万円しか使わなかった場合、250万円が残りますが、この余ったお金に関しても非課税なので自由に使うことができます。
さらに、大規模な災害で公的な支援金を受け取った場合も非課税となっているので、税金がかかることに関しては心配しなくて良いでしょう。もっと言うと、保険料負担者と保険金を受け取る人が違っても贈与税がかかることはありません。しかし、火災保険には課税対象となるケースもあるので注意してください。火災保険が課税対象になるケースについては、これから紹介していきます。
自分が支払っている火災保険の保険料は課税対象なので注意
火災保険を適用して受け取った保険金に関しては非課税ですが、自分が支払っている保険料に関しては課税対象となります。平成18年までは損害保険料控除という仕組みがあり、火災保険の保険料も課税対象ではありませんでした。
ですが、この仕組みは税制改正で廃止されています。というのも、損害保険料控除は元々火災保険の加入を一般に広く促すために作られていた仕組み。その結果、現在では一軒家やマンションをお持ちの方のほとんどが火災保険に加入している状況です。
そのため、火災保険は一般的となり税金の負担を軽減してまで促す必要はないと判断されたため、支払っている保険料に関しては課税対象となったということです。
火災保険の保険料は課税対象でも地震保険は非課税対象
先程の解説で、火災保険の保険料は課税対象になると紹介しました。ですが、火災保険の中でも地震保険の保険料に関しては非課税対象となります。ここがややこしい部分なのですが、日本は地震大国であり、数年に一度は大規模な地震が起きている状況。
このようなことから、政府側は国民に地震保険への加入を促進させたいという意向があり、平成19年度から地震保険を対象にした「地震保険料控除」が開始されました。つまり、火災保険の普及のために行われていた損害保険料控除が、今は地震保険で行われているということです。
火災保険の税金は対策できる?
続いて、火災保険で税金対策はできるのかどうか解説します。できる限り税金対策をして金銭的に有利な状況に持っていきたいと考える方も多いはず。そこで、ここから火災保険で税金が控除される条件を3つ解説するので参考にしてみてください。
火災保険の税金が控除される条件1:長期保険契約
火災保険の税金が控除される条件の1つ目は、長期保険契約です。長期保険契約とは、2006年以前に契約した保険を10年以上加入している契約。2006年12月31日以前に契約した保険のうち、2017年1月1日以降も継続して加入していれば控除の対象となります。
ただし、2007年1月1日以降に加入した保険に関してはたとえ10年以上加入していたとしても対象外となるので注意してください。このように法律の改正により生じた損害を極力減らす措置を「経過措置」と言うので覚えておきましょう。
火災保険の税金が控除される条件2:満期返戻金
火災保険の税金が控除される条件の2つ目は、満期返戻金です。満期返戻金(まんきへんれいきん)とは、保険料の全額を支払って満期を迎えた際に契約者が保険会社から受け取れるお金のこと。満期返戻金に関しても税金の控除対象となるので、税金対策をすることが可能です。
火災保険の税金が控除される条件3:保険料を変更していない
火災保険の税金が控除される条件の3つ目が、保険料を変更していないこと。逆に、保険料の変更をしていると控除の対象にならないので注意しましょう。例えば、加入者が2006年12月31日以前に火災保険に加入をしたとします。
そこで、2007年1月1日以降に内容変更で保険料を変更していると、たとえ2006年12月31日以前の保険加入で10年以上経過していても控除対象外ということ。また、経過措置の対象となるのは火災保険と長期損害保険であり、満期返戻金のある積立タイプが控除対象となります。
なので、自動車保険や財形貯蓄の損害保険などは対象外となるので注意しましょう。
火災保険の税金に関するQ&A
ここまでの解説を受けても、火災保険で受け取った保険金に関して様々な疑問を抱く方も多くいるはず。そこで、ここからは火災保険の税金に関するQ&Aを紹介していきます。よくある質問を下の4つまとめておいたので、ぜひ参考にして税金の悩みを解決しましょう。
Q1:火災保険の税金は個人と法人(会社)では違う?
A:火災保険で受け取った保険金は個人と法人で課税対象になるか違ってきます
個人に関しての說明をすると、災害によって生じた家の設備や店舗の設備に関しては原則非課税。しかし、個人事業の商品について保険金を受け取られた場合は、売上の補填としての意味合いがあることから課税対象になります。
なので、どこに対して保険金を受け取ったのかどうかはチェックしておきましょう。設備や建物関連の保険金であれば非課税ですが、商品についての保険金は課税対象と分けて理解しておく必要があります。また、法人が保険金を受け取られた場合は、その金額を雑収入として計上する必要があるため課税対象となるので注意してください。
Q2:契約者と所有者が違う場合の火災保険の税金はどうなる?
A:契約者と所有者が違う場合も非課税対象なので贈与税はかかりません
家や建物の所有者と火災保険の契約者は同一というケースがほとんどです。しかし、中には特別なケースとして建物の所有者と保険の契約者が違う場合もあるかもしれません。
例えば、家の火災保険は親が加入していて家は子が所有しているといったケースがそれにあたります。この場合は、保険金を受け取る人が別になりますが、非課税となり贈与税がかかることはないのでご安心ください。
Q3:火災保険を相続する場合は?解約返戻金は課税対象?
A:解約返戻金は「一時所得」と扱われ金額次第で課税対象になる
保険のタイプには、定期保険と解約返戻金がある積立保険の2種類があります。つまり、貯蓄性や資産性のある保険など。解約返戻金の保険で返戻金を受け取った場合は「一時所得」として扱われます。
そのため、20万円を超える場合は課税対象となります。また、親が保険料を支払っていて、その返戻金を子供が相続した場合は贈与税の対象となるので注意しましょう。
Q4:火災保険が共有名義だった場合の保険金受取に対する税金は?
A:共有名義でも贈与税がかかることはありません
結論を言うと、共有名義で複数の人が保険金を受け取った場合でも贈与税はかかることはありません。というのも、火災保険で受け取った保険金は、あくまで損害を埋めるためのもの。なので、利益が生まれるものではないからです。
火災保険の税金の支払いに関する正しい知識を身に付けておこう
いかがだったでしょうか。火災保険の税金について理解をしておかないと、思わぬところで税金が発生してしまうことがあるかもしれません。ですが、一度理解してしまえば金銭面で有利に事を運ぶことができ、お得になることもあります。
例えば、原則として受け取った保険金は非課税なので建物の修繕費用に使ったお金が余った場合は自分の好きなように使ってもいいということ。それに対して例外がいくつかあるので、もし不安を感じるのであれば、もう一度本記事でおさらいしてみてください。