2021.09.13 | 火災保険
火災保険の補償内容は火事だけじゃない?実際に補償された事例も3つ紹介!

今回の記事では、火災保険の補償内容や補償の範囲まで徹底解説します。何気なく加入している火災保険ですが、火災保険について正しい知識を持っている方は多くはありません。
火災保険の正しい使い方を知っておかないと、補償されることに気づかずに損をしてしまうかもしれません。さらに、本記事では自分に合った火災保険の選び方や実際に火災保険が適用されたケースも紹介していきます。
また、火災保険の補償についてよくある質問についても答えているので、この記事を読めば火災保険の知識が身に付きます。ぜひ、参考にしてください。
Contents
火災保険が適用されるのは火事だけじゃない?補償内容を紹介
まずは、火災保険の補償内容について紹介していきます。火災保険が補償してくれる被害は火事だけと思っている方も多いはず。
しかし、火災保険は火事のリスクに備えるためだけの保険ではありません。では、火災保険はどういった災害が適用されるでしょうか。あまり知られていない火災保険の補償内容を、ここでしっかりと把握しておきましょう。
火災保険の補償内容
火災保険の補償内容を表に簡単にまとめたのが下の表になります。
火災保険の適用範囲 |
|
補償範囲 |
自然災害、日常災害 |
補償内容 |
火災、落雷、台風、雪害、雹災(ひょうさい)、空き巣被害、水漏れにて電子機器の故障、他者からの物件損害 |
適用例 |
1.雷が落ちて屋根が破損した。 |
2.台風で窓ガラスが破損した。 3.作業中のクレーンが倒れて自宅の一部が破損した。 4.近所の小さな子供がボールを蹴って遊んでいたところ自宅にボールが飛んできて窓ガラスが割れてしまった。 5.雪の重みで屋根が壊れて雨漏りが発生した。 |
火災保険は、火災や台風、日常生活で他者から損害を受けた場合などの広い補償内容が設定されていることがわかります。ただし、上の表はあくまでも例であり、全ての火災保険が当てはまるわけではありません。
補償内容は保険会社で異なるので、加入する際や既に加入している方は改めて補償内容を確認しておきましょう。
なお「火災保険で自然災害は補償される?火災保険の補償について解説」では、どの自然災害に火災保険が使えるのかを詳しく解説しています。併せてご覧ください。
地震による被害は火災保険の補償内容に入らない?
ここで勘違いされてしまう方が多いのですが、地震による被害は火災保険の補償内容には含まれません。多くの保険会社でも、火災保険の補償内容で地震による被害が明記されていない会社がほとんど。
なので、地震による災害に備えるのであれば、火災保険とは別に地震保険にも加入する必要があります。地震保険は火災保険のオプションとして加入できるので、心配な方は加入しておくようにしましょう。
火災保険の補償範囲とは?
先ほどの表を見て頂くと、火災保険の補償範囲は自然災害と日常災害であるがわかります。
ここからは、この火災保険の補償範囲についてさらに詳しく解説していきます。
火災保険の補償範囲は主に以下の2つ。
- 建物
- 家財
それぞれ説明していくので、自宅がどの箇所で被害を受けたのか確認しましょう。
建物
まずは、「建物」について説明していきます。
火災保険の「建物」とは、一体どこまでの範囲を指すのでしょうか。多くの人が疑問に思わわれていますが、具体的には以下の部分を「建物」として扱っている保険会社がほとんどです。
「建物」の補償範囲 |
畳やふすま |
付属のエレベーターやリフト |
エアコン |
浴槽、流し台、ガス台など調理台に取り付けてあるもの |
門や塀、垣 |
物置や車庫 |
建物の基礎部分 |
建物に固定してあるTVアンテナ |
上記の表が火災保険の指す「建物」の内容です。これら以外でも補償範囲として扱われるケースもありますが、基本的に上記の表を「建物」として把握しておきましょう。なので、保険会社に申請をする前に、まず自宅のどの部分で損害を受けたか確認しておいてください。
「火災保険の修理対象はどこまで?火災保険の請求手順から修理する際の注意点も2つ紹介」では、火災保険の修理対象を詳しく解説しています。修理対象を詳しく知りたい人は、併せてご覧ください。
家財
次に、「家財」について説明していきます。そもそも、「家財」とは生活する上で必要になる家具や日用品のこと。
こちらも先程の「建物」同様に、補償範囲を以下の表にまとめました。
「家財」の補償範囲 |
テレビ、パソコン |
カーテン、テーブル、ソファー |
洋服 |
自転車 |
食器、日用品 |
30万円を超える貴金属、宝石、美術品など(※「高額な貴金属、美術品等の補償」などをセットに加入していたら補償されるなどのケース) |
通貨、預貯金証書、切手、印紙、乗車券など(※「盗難」の補償をセットに加入していたら一定額の範囲で補償されるケース) |
火災保険における「家財」の補償範囲は、主に上記の表の内容。「建物」同様、上の表に無くても補償されるケースがあるので、自分がどの「家財」で損害を受けたのか、こちらも確認しましょう。
また、場合によっては貴金属や通貨のようにセットで加入していないと補償されない「家財」もあるので注意が必要です。
なお「【2021年】家や家財の破損は火災保険で補償される?保険金請求の手順も解説」では、破損による火災保険の適用可否を詳しく解説しています。興味がある人は、併せてご覧ください。
自分に合った補償内容の火災保険の選び方を紹介
ここからは、自分に合った火災保険を選ぶポイントを紹介します。火災保険は加入すれば良いというものではありません。補償内容を確認して自分の生活スタイルに合った火災保険を選ぶことが、火災保険を選ぶ上で最も重要なポイント。
これから紹介するポイントを押さえて火災保険を選んでみてください。自分に合った火災保険を選ぶポイントは以下の2つ。
- 1.自分の住まいの特性で選ぶ
- 2.家財に及ぶリスクで選ぶ
それぞれ具体的に解説していきます。
火災保険の補償内容の選び方1:自分の住まいの特性で選ぶ
1つ目のポイントは、自分の住まいの特性を考えて選ぶこと。一軒家とマンションでは、それぞれリスクが違います。例えば、一軒家であれば災害で屋根が壊れて雨漏りが発生するケースもありますが、マンションで雨漏りが発生することは中々ありません。
それなのに加入している火災保険の内容が一軒家向けだと、意味がない補償内容に料金を支払うことになります。なので、自分の住まいの特性を理解しながら火災保険に加入するようにしましょう。
国土交通省のハザードマップを活用しよう
自分の住まいの特性を知る必要もありますが、同時に身の回りの災害リスクも把握して火災保険を選びましょう。ですが、自分の住んでいる地域にどのような災害リスクがあるかはよくわからないもの。
そこで活用して欲しいものがハザードマップです。ハザードマップは、自分の住んでいる地域の洪水や土砂災害、土地の特徴などが詳しく調べられます。どの火災保険に加入すればいいか明確になるので、ぜひ活用してください。
火災保険の補償内容の選び方2:家財に及ぶリスクで選ぶ
2つ目のポイントが、家財に及ぶリスクで選ぶということ。まず、自宅にどのぐらいの家財があるのか見ておきましょう。それらに及ぶリスクを考えて、どの火災保険に加入するべきか選んでください。
マンションと一軒家では家財の量も違います。家財が少ない方であれば、セットで「盗難」補償や別の補償に入る必要性はあまりありません。
また、家財が多い方であれば、火事によって被害を受けた時のリスクも考える必要が出てきます。できる限り自分が被害を受けるかもしれない災害を予測して火災保険を選びましょう。
実際に火災保険で補償された3つの事例を紹介
ここからは、実際に火災保険で補償された3つの事例を紹介します。自分が被害にあった内容がこれらの事例に類似していれば、火災保険が適用される可能性があるということ。これから紹介する事例と自宅の被害は内容を照らし合わせてみてください。
なお「火災保険の見舞金っていつまでにいくらもらえるの?請求手順から注意点まで徹底解説!」では、火災保険で受け取れる見舞金の金額を詳しく解説しています。併せてチェックしましょう。
火災保険で補償されたケース1:台風被害による雨樋修理
台風が多い地域に住んでいたAさん。ですが、滅多なことがない限り建物が壊れることはありませんでした。
しかし、今まで以上に激しい台風被害に遭い、家の雨樋が損傷。火災保険に加入していたので保険会社に申請をしたところ、火災保険が適用され雨樋の修理費用が補償されたというケースです。
火災保険で補償されたケース2:豪雨被害による床上浸水
豪雨があると浸水しやすい地域に住んでいるBさん。今までは浸水することはありませんでしたが、強い豪雨に襲われついに自宅が浸水してしまいました。
床の上が水浸しになり、それによって様々な家財が損傷。そんな時に、火災保険に加入していたことを思い出したBさん。
補償内容を確認すると浸水による被害が適用される可能性があると判明しました。試しに保険会社に申請したところ、浸水の被害で火災保険が適用されて家財の修理が補償されたというケースです。
火災保険で補償されたケース3:落雷被害による家財の損害
マンションの最上階に住んでいるCさん。そのため、落雷による被害を受けやすく、ベランダに固定しているTVアンテナが壊れてしまいました。
落雷による被害は火災保険が適用される可能性があることを聞いたCさんは、試しに保険会社に申請。すると、火災保険が適用できると言われ落雷の被害によるTVアンテナの修理費用が下りたというケースです。
「実際に支払われた事例を5つ紹介!火災保険ってどんなトラブルを補償してくれる?」では、火災保険の補償ケースを詳しく紹介しています。より多くの事例を知りたい人は、ぜひチェックしてください。
火災保険の補償でよくある質問
ここからは、火災保険でよくある質問を3つ紹介します。火災保険で特に多い質問なので、ぜひ参考にしてください。
火災保険の補償に関する質問:突然、家に木が倒れてきた場合は?
1つ目の質問は、「突然、家に木が倒れてきた場合は火災保険は補償される?」という内容。この質問に対する答えは、木が倒れてきた原因次第では火災保険の適用内容になります。
例えば、台風や暴風で倒れて家財に損害が生じた場合は、風災による被害なので火災保険が適用されるかもしれません。また、自然に倒れて家財に損害が生じた場合も、加入している内容に「物体の落下」があれば補償されます。
火災保険の補償に関する質問:土砂崩れによる被害は?
2つ目の質問は、「土砂崩れによる被害は火災保険は適用されない?」という内容。この質問の答えは、土砂崩れは床上浸水以上の被害でないと補償されません。
土砂崩れは「水災」にあたるので、台風や暴風雨によって土砂崩れが発生し、床上浸水がそれに伴って起きた時に適用されます。
火災保険の補償に関する質問:家から持ち出した家財は?
3つ目の質問は、「家から持ち出した家財が被害にあった場合は補償されない?」という内容。この質問の答えは、補償されません。
家財はあくまでも建物内に保管している場合に補償されます。持ち出してしまうと適用外になるので注意しましょう。
火災保険は自分に合った補償内容を見つけることが大事
いかがだったでしょうか。火災保険はやみくもに加入すれば良いというものではないことを本記事でお伝えしました。
また、火事以外の様々な災害にも適用されるケースがあるのが火災保険のポイントです。これから加入しようとしている方は、まず自分の住まいの特性、住んでいる地域の特徴、家財のリスクなどを考えましょう。
知識が何もない状態で加入してしまうと、被害を受けた時にほとんど機能しない火災保険にもなりかねません。なので、ぜひ本記事を読んで火災保険の基礎的な知識を身に付けておきましょう。
火災保険が適用されるのは火事だけじゃない?補償内容を紹介