2021.08.22 | 火災保険
火災保険でドアの破損は補償される?玄関のドアや賃貸の場合も解説!

玄関や浴室・トイレなどのドアが壊れてしまった場合、加入中の火災保険で修理費用が補償される可能性があります。
火災保険の適用範囲を知らないばかりに、ドアの破損を全額自己負担で修理している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドアや扉の破損に火災保険の補償を受けるための条件や方法を分かりやすく解説します。また次のケースにおける、保険の使い方も紹介。
- 借家でドアを壊した場合
- 他人の家のドアを壊してしまった場合
- 他人に自宅のドアを壊された場合
本記事は、日常で起こりうるドアの破損についてのトラブルに火災保険を有効活用するためのノウハウを盛り込んだ内容です。最後までご覧いただき、火災保険サービスを上手に利用できるようになってください。
Contents
ドアの破損は火災保険で補償できる
自宅のドアの破損には、火災保険が使える場合があります。火災保険は、火事被害だけをカバーすると誤解している方も多いのかもしれません。
しかし、火災保険の適用範囲は意外に広く、自然災害や突発的な事故で建物や家財が被害を受けた時にも適用されるのです。自然災害や不意のトラブルによるドアの破損も、火災保険の適用範囲に含まれます。
ドアの破損が火災保険で補償されるための条件
火災保険に加入すると、自然災害や突発的な事故で建物や家財が被害を受けた場合に、その損害に対して補償を受けられます。
ただし、ドアや扉が壊れたからといって、いつでも火災保険による補償を受けられるわけではありません。ドアの破損に火災保険が適用される条件は、以下の通りです。
- 建物を対象とした火災保険に加入していること
- 「不測」かつ「突発的」な「事故」による破損であること
- ドアや扉の使用に支障をきたすような破損であること
- 免責金額以上の被害額であること
それでは、どのような場合に補償がなされるのか、具体的な事例を見ていきましょう。
ドアの破損が火災保険で補償された事例
ドアの破損に火災保険が適用される具体な場面は、以下のとおりです。
- 自然災害(大雨・台風など)により、ドアが使用不可能なほど破損した場合
- 家具の搬入時にミスをして、ドアを破損した場合
- 子どもが遊んでいて居間の扉にぶつかり、壊した場合
いずれも不測の事故ですが、自然災害だけではなく、想定外の過失や子どもの起こした不注意による事故に対しても保険が適用されるのがポイントです。
ドアの破損で火災保険が適用されない場合
上述したように、ドアの破損でも一定の条件を満たせば火災保険の補償を受けられます。逆に、火災保険が適用されない場合を見ていきましょう。
保険適用の可否は「いつ、どのようにしてどれくらいドアが破損したのか」によります。つまり、破損が生じた原因と損害の程度・回復に必要な金額が保険の適用に影響します。
突発的な事故によってドアの使用に支障のある損害が生じていなければ、火災保険の適用を受けられません。
突発的な事故以外の場合
突発的な事故でドアが破損されることは、火災保険が適用されるための一番の前提条件です。では、どのようなときに突発的な事故ではないと判断されて、保険の適用範囲外になるのでしょうか。保険が適用されない、ケースは次の通りです。
- 故意にドアを破損した場合
- 破損の原因が分からない場合
- 経年劣化によってドアが使用不能になった場合
- 子どもが落書きをした場合
以上のような突発的な事故以外の場合は、保険が適用されないため注意が必要です。また、次に紹介する補償金額が免責金額を下回る場合も、火災保険の適用外です。
補償金額が免責金額を下回る場合
免責金額とは、保険会社が保険金の支払い責任を負わない金額の上限です。つまり、この金額以下の保険金は支払われません。
なぜこのようなルールがあるのでしょうか。それは、少額の保険金請求が頻繁にあるとその度に調査や支払い手続きを行う必要があるため、保険会社のコストが多大になってしまうためです。
免責の支払い方式は、フランチャイズ方式と免責方式の2種類です。フランチャイズ方式では定められた免責金額を超える損害が発生すれば、免責金額を減額されることなく全ての損害が保険で補償されます。
一方、免責方式では免責金額を超えた際に支払われる損害金額の中から、免責金額分を減額して補償されます。
ドアの引っ掻き傷などの軽度の破損の場合
ドアや扉は、日常の使用でも多少傷ついたりするものです。こうした軽微な損傷や汚損は突発的な事故とは言えないため、火災保険の対象にはなりません。
日常生活で生じたドアの引っ掻き傷や汚れなどの軽微な損傷には、自己負担で対処する必要があります。最近は簡単な修理の方法を紹介したサイトも多数ある上に、ホームセンターでも安価な材料をそろえることも可能です。
自己負担額を低く抑えたい場合は、DIYに関する情報をうまく活用して、ドアの修繕を自分で行うのもよいでしょう。
火災保険が適用されるのは、あくまでも予測できない災害や事故によって、ドアの使用に支障のある損傷を受けた場合に限定されるのを覚えておきましょう。
ドアの破損で保険金はいくらもらえる?
火災保険で補償を受けられる金額は、以下の計算式で算出されます。
損害額 ー 免責金額(自己負担額) = 保険金額
支払われる保険金は「フランチャイズ方式」と「免責方式」で異なります。たとえばドアの修繕や交換に、10万円が必要だと過程してみましょう。免責金額が5万円に設定されている場合、それぞれの方式における保険金額の計算は、以下のとおりです。
フランチャイズ方式:10万円 ー 0円 = 10万円 (免責金額を超えているため自己負担なし)
免責方式:10万円 ー 5万円 = 5万円 (免責金額までは自己負担となる)
免責金額や算出方法は火災保険の契約時に定められます。契約時や保険請求の際には、2つの支払い方式について確認するようにしましょう。
個人賠償責任特約でドアの破損を補償する
個人賠償責任特約は他人に損害を与えたときに、その賠償を保険でまかなえる特約で、他人の家のドアを破損した場合にも、補償してもらえます。
以下、個人賠償責任特約の概要とドアの破損への適用事例を見ていきましょう。
個人賠償責任特約とは
個人賠償責任特約は、火災保険や自動車保険に付加できる特約の一つです。契約者やその家族が他人にケガをさせたり、他人のものを破損したりすると適用されます。
契約者だけではなく、家族の過失や事故もカバーされているため、契約者本人と家族を日常のトラブルから守るためのサービスだと言えるでしょう。
ドアの破損を個人賠償責任特約で修理した事例
個人賠償責任特約は、どのようなドアの破損に使えるのでしょうか。
たとえば知人の引越しの手伝いをする際に、運搬中の家具をドアにぶつけて破損したときに、個人賠償責任特約を適用できます。一方で火災保険のみだと、自宅ではないため火災保険が使えません。
個人賠償責任特約の場合も、保険が適応されるには突発的な事故である必要があります。もしも突発的な事故で、自宅以外のドアを壊したときには、写真を撮って記録を残しておいた方がよいでしょう。
賃貸物件で加入する借家人賠償責任保険は壊したドアには補償されない
住んでいる家が借家である場合、ドアの破損に関する火災保険の取り扱いが、持ち家とは異なるため注意が必要です。
賃貸物件の契約時に加入する火災保険は入居者本人の家財を対象としているため、建物自体の損害を補償することができません。そのため、入居者は火災保険とは別に、借家人賠償責任保険に加入します。
この借家人賠償責任保険の適用範囲は火災保険とは異なるため、適用範囲を正しく把握しておくことが大切です。
借家人賠償責任保険とは
家やマンションなど、居宅を賃貸する際には必ず火災保険に加入します。このときの火災保険は「借家人の家財」を対象としており、建物自体の損傷は借家人賠償責任保険で補償されます。
借家人賠償責任保険の最も重要なポイントは「火災・爆発・破裂・漏水」事故だけに補償がなされる点です。
具体的には、ストーブの消し忘れで火災を誘発したり、洗濯機のトラブルで漏水事故を起こしたりしたときに適用される保険です。
ドアの破損は借家人賠償責任保険では補償されない
上記で分かるように、通常のドアの破損には借家人賠償責任保険は適用されません。突発的な事故であっても、「火災・爆発・破裂・漏水」以外には補償されないのが借家人賠償責任保険です。
例えば、自宅にかけた火災保険ならば子どもが不意に衝突してしまったドアの破損が補償されるのですが、借家の場合は不注意によるドアの破損は補償されない可能性がありますので注意してください。
家のドアの修理にかかる費用
ドアや扉の破損には火災保険が適用できる場合があります。その条件についてはこれまで説明してきました。
では、ドアの修理にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?ドアの破損の程度や材質などによって修繕費は異なりますが、以下に目安を紹介します。
修理の内容 | 費用の目安 |
---|---|
蝶番の交換(1ヶ所あたり) | 3千~5千円 |
ドアの撤去・処分 | 1万~5万円 |
ドアノブの修理 | 1万~5万円 |
ドア枠の修理 | 1.2万~3万円 |
開閉の調整 | 1.5万~2万円 |
ドアクローザー交換 | 1.5万~5万円 |
再塗装 | 2万~10万円 |
室内のドア交換 | 5万~20万円 |
ドアの破損の事由が火災保険の対象であれば、上記の費用から免責金額を除いた金額が補償されます。
玄関ドアの故障についての火災保険の補償内容
玄関のドアが壊れてしまった場合に、どんなケースで火災保険がおりるのかを見ていきましょう。想定される突発的な事故は、以下の通りです。
- 犯罪によるもの
- 自然災害によるもの
- 他人の過失によるもの
各項目ごとに、具体例を紹介します。
空き巣によって玄関ドアが破壊された
加入している火災保険に盗難の補償がついていれば、空き巣被害で受けたドアの破損も補償の対象です。
玄関ドアの鍵が壊されたり、ドアそのものが破壊されたりした場合や、空き巣に窓を割られた場合なども火災保険で補償されます。
盗難が未遂でも、ドアや窓に被害を受けていれば、火災保険が適用される場合が多いです。空き巣の被害にあったら、警察へと通報した後に、加入している火災保険の会社にも早めに連絡しましょう。
強風で物が飛ばされ玄関ドアが壊れた
台風や竜巻などの自然災害による飛来物が玄関ドアに当たって壊れた場合も、火災保険の適用範囲です。
また、予測できない突風によるドアの被害も火災保険を適用できます。被害に遭った日と損害の状況をカメラで撮影して、記録を残しておいた方がよいでしょう。
生命の安全が第一であるため、写真を撮るために避難が遅れるような事態は避けて下さい。記録を残せない事情があれば、証拠が無くても保険金は支払われます。
自動車が突っ込んできて玄関ドアが破壊された
自宅の玄関が道路に面している場合は、車が玄関に突っ込んできたり、車が撥ね飛ばした石が玄関ドアに当たったりして、ドアが破損することがあります。車道を走る車によるトラブルは突発的な事故であるため、火災保険が適用されます。
とはいえ、まずは加害者側の費用負担や保険で、ドアの修理が可能かどうかを確認してみましょう。自動車による事故の場合、相手が加入する賠償責任保険で、補償を受けるのが一般的です。
ただし相手の保険で補償を受けられる場合でも、自身が加入している保険会社には早めに連絡をしておいた方がよいでしょう。火災保険の担当者からよいアドバイスを受けれる可能性もあります。
ドアの修理には火災保険の適用も検討してみよう
自然災害や突発的な事故によるドアや扉の破損は、火災保険の適用範囲です。壁や屋根以外でも、火災保険は適用されますので、ドアの破損は保険の適用外だと誤解しないように注意しましょう。
火災保険は一定の条件を満たせばドアの破損にも適用できます。思わぬ事態で家のドアが壊れてしまった場合は、加入している火災保険会社に連絡してみましょう。
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